20代の女性店長&マネージャーを応援するブログ

現役マネージャーによる、店長お悩み相談室。悩める新人店長さんはもちろん、マネージャーさんや若き管理職さんのヒントになりそうな記事をUPします。

店長の悩みの99%は人間関係

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店長の悩みの99%は人間関係、というか、

人に関する悩みではないでしょうか。

 

もちろん、売上が上がらなくても苦しいし、間違って発注しちゃって売れない在庫抱えたり、トイレの手洗い場の水が止まらなくなっちゃったり(新人店長時代に実際あった)、いろいろあると思いますが、そんなことは些細なこと。

 

店長の悩みは「スタッフ」と「お客様」に集約されるといっても過言ではない。(売上はね、上がらない時は苦しいと思うんですよ。でも、数値分析して、仮説を立てて、在庫仕入れて売場作って・・・て基本は楽しいことだと思うんですよねー。)

 

「店長」って呼ばれながらも、スタッフと信頼関係築けてないなーっていうときが、いちばんしんどい。

 

いろいろ対応策はありますが、私のおすすめはまず、スタッフの話をとにかくよく聞くこと。お店に対して思っていることだけじゃなくて、そのスタッフがどんな人で、今まで何をしてきたか、何が得意か、どんな生活をしているのか(住んでいる場所や家族、趣味など)、そして、今その店で何をして、将来どうしたいのか。

 

着任時だけでなく、3か月~半年に1回くらいは、必ずすべてのスタッフと時間をとって面談すること。これは、単に人間関係をつくるだけでなく、店舗の組織設計のためにも、スタッフのキャリア形成のためにも絶対に必要なことです。(私は最終的には120人のスタッフと仕事をしましたが、半年に一度は必ず全員と1人30分の面談をしました!)

 

「この会社で長くやっていきたい、店長目指したい」というスタッフ、「実は違う道を考えていて、勉強をしていて将来的には転職をしている」というスタッフ、業務のことで、家族のことで、悩みを抱えているスタッフ。

 

表面的には笑顔で仕事をしていても、実は悩んでいるスタッフ、何かを抱えているスタッフというのは予想以上に多いものです。そして、店長に話すだけで解決する悩みも実は多い。(シフトのこととか)

 

 「自分の話を真剣に聞いてくれる人」を嫌う人はほとんどいません。ましてや「店長」に時間を割いてもらって、じっくり話をきいてもらって嬉しくないスタッフはいないはず。

 

店長って力はあるけれど、とても無力です。

スタッフに協力してもらわなければ、お店を開けることすらできないんです。

「いて当たり前」ではない。「いてくれて有り難い」んです。

「この店で、この店長と一緒に仕事がしたい!」と思ってもらうことが、店長としての第一歩。

 

そのためのスタートが、「話を聞くこと」。

「スタッフが言う事聞いてくれない!」と嘆く前に、

あなたがスタッフの話を聞くことからスタートしましょ。

どんな店にしたい?

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店長お悩み相談室(になったらいいな)第一弾。

 

私が新人店長の時に、尊敬する大先輩から言われたこと。

「その店をどんな店にしたいかを決めるのが、店長の最初の仕事。」

 

今日は、新人店長としてお店に着任したらまずやるべきこと(私がやったこと)を書きたいと思います。

 

私が新人店長として着任したお店は、経営的に問題がありました。エリアの中でも最も売り上げが低く、利益率も低く、品揃えも(会社の方針で)限られた店舗でした。近くに大型のショッピングモールができて、明らかにお客様をとられている状況でした。

 

私は、何から始めたら良いものかと悩みました。

 

答えが出ないときはひたすらインプット、ということでまずはスタッフ全員と個別面談。

 

すると、スタッフの言葉の中にヒントがたくさん詰まっていました。

私が着任したお店は、小さいながらも常連のお客様が多く、お客様を大切にしているスタッフが多い店でした。

 

そんな中で私が決めた店の方針は2つ。

  1. いつきてもストレスフリーで買い物ができて、「また来よう」と思っていただける店にすること。
  2. 存続するために必要な利益を残すこと。

 

詳しく説明します。

1は、近隣の大型ショッピングモール内にある店舗の駐車場がいつも混んでいることに注目して、「さっと来て、さっと買い物をして、さっと帰れるストレスフリーな店」という方向性を考えました。

 

そうすると、「レジにお客様の列ができたら絶対フォローに入る」とか、「売場で欠品しないよう品出しのときに気を配る」とか、いろいろなことをスタッフが考えて動いてくれるようになりました。

「お客様をお待たせしない」ということは、顧客満足の観点からも大事ですが、ロードサイドで、車での来店率が60%程の同店にとっては、駐車場の回転率も売上を上げるために重要でした。

 

2については、着任して最初の全員ミーティングで、「この店は利益率が低くて会社の基準を満たしていない」「本当に最悪の場合存続できない」ということをはっきりと伝えました。

 

そのうえで、

「けれど、みんなと話してお店に愛着を持っているのも分かったし、昔からのお客様もいる、この店を絶対に存続させたいし、この店ならではの良さをお客様に分かっていただきたい!」ということを全員に伝えました。

 そして、利益を残すには、

    1. 売上を上げる
    2. 経費を効果的に使う(無駄遣いしない)

の2つしか手段はない、ということも伝えました。(利益=売上-経費だからね)

 

そうすると、じゃあ売上ってどうしたら上がるの?ということで

売上=買上客数×客単価

客数=入店客数×買い上げ率

客単価=平均買い上げ点数×商品平均単価で、

うちの店は目的買いのお客様が多いから、店頭欠品をなくせば「買い上げ率」はあがるよね、とか、

「商品平均単価」の高いアウターとかボトムスは接客でアピールできるように商品知識を身につけよう、とか、自分の仕事と数字を結び付けて考えてくれるようになりました。

 

三大経費は

人件費

設備費

広告販促費 ということも興味を持って覚えてくれ、

そうすると会社でお金をかけて広告を出したり販促POPを作ったりしている商品はその分売らなきゃね、と会社の意図も分かってくるし、

設備を乱暴に扱って壊したら修理代めっちゃ高いよ!となるし、

残業しない、ということにもすごく協力的になってくれました。

 

店舗でコントロールできる経費だと、水道光熱費もありますが、学校が終わって夕方から出勤してくれているアルバイトの男の子が「電気代がもったいないから」と暗闇でスタッフノートを確認している姿を確認したときは、笑いながらも感動してしまいました。(あなたが情報を確認することはお店にとって必要なことだから、そこは電気つけていいんだよ、と伝えたのは言うまでもないですが)

 

 当たり前のことですが、スタッフにとってお店は「仕事をしに来るところ」。

仕事の目的は、「利益を残すこと」。

そして、「この店で仕事をすることを選ぶ(選び続ける)理由」は、究極的には「好きだから」「楽しいから」しかないのではないかと思います。

 

現実的には「家から近いから」とか「お給料がそこそこ良いから」とか、「ここしか受からなかった」みたいな何となく流れ着いた・・・ということもあるかもしれませんが、「家から近い」中でも選べるお店はいくつかあるのではないでしょうか。

 

店長が「どんなお店にしたいかを決めること」は、スタッフに方向性を示すこと。

「目標」に向かって仕事をすること、は楽しい。

「目標」が達成できたら、嬉しい。

そして、目標を達成することを意識すると、必ずクリエイティビティが発揮されます。

仕事の中に工夫が生まれる。

そうすると、より目標達成に近づく。 

 

もちろんうまくいかないこともたくさんあります。

でも、店長が「決める」ことでものすごいパワーが生まれる「可能性」がある。

 

どんな優秀なベテランスタッフにも、どんな上司にもできない。

「店長」と呼ばれる人にしかできない、一番大事な仕事。

それが「どんな店にしたいかを『決める』こと」。

 

決めたら次はどうする?というお話はこちらをどうぞ。

店長お悩み相談室(になったらいいな)

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お店の数だけ店長がいる。

 

ここにたどり着いてくださったあなたはきっと店長、または店長を目指す方かと思います。(お読みくださってありがとうございます)

私もあなたと同じように、店長をしていました。

13年間、洋服を売るお店の店長をやらせてもらっていました。

 

2015年4月に店長でなくなってからも、いろんなお店で買い物をして、お店のスタッフや商品や売場のことを、ついつい店長目線で「いいな」と思ったり「ありえない」と思ったりしています。

 

一歩引いた目線で見てみると、世の中「もったいないお店」であふれているなぁ、と感じるようになりました。

 

自分がやっていた時に100%出来ていたかと言えば、まったくそうではないのだけれど、少なくとも現役の新人店長さんや若い店長さんがぶつかりそうな壁には100%ぶつかっていて、それを乗り越えてきたと思います。

 

だから10年前、いや、20年前の自分に書くつもりで、その乗り越えてきたことを書いてみようかな、とふと思い立ちました。

(そしてまったく関係ないことも書きたいな、と思っています。つまりゆる~くやりたいと思っています。)

 

店長とはお店の全責任を負うがゆえに、悩みは尽きないものですが……

たとえばこんなお悩み。

 

・人手不足すぎて辛い

・売上やばい(上振れ下振れ両方向にやばさがある)

・チームワークが悪い、派閥があってめんどくさい

・部下が仕事できなさすぎ

・部下が何考えてるか分からない

・苦手な部下がいる

・年上の部下、年下の上司、女性店長の男性部下問題

・エリアマネージャーと絶望的に合わなくて仕事に支障をきたしている

・売上が上がらな過ぎてディベロッパーの担当者とできれば顔を合わせたくない

・クレーム対応がしんどい(「倍返し」が流行った年に「土下座しろ」と言われたことがある)

・部下から「店長~」って呼ばれるときは悪い話しかない

・部下から「お話があるんですけど」って切り出されるとドキッとする(退職?)

・帳票出し過ぎて紙の束が積み上がってるけどシュレッダーかける時間すらない

・棚卸って本当に本当に本当に面倒くさい

・万引犯は本当に地獄に落ちればいいと思う

 

店長あるあるを書いていたら、ちっともゆるくない気分になってしまった。

 

 そんな感じのことを、読んでくださる方が何か持ち帰るものがあるように、かつ軽い気持ちになっていただけるように、ゆるゆると書いていこうと思っております。

 

ちなみに、私は小売の店長でしたので、その視点で書いていきます。小売ではないお店の店長さんもいらっしゃるかと思いますが、 そのあたりはご了承のうえ、置き換えられるところは置き換えつつ、読んでいただけたら嬉しいです。

 

願わくば、世界のどこかの片隅で悩んでいる店長さんのお力になれますように。