店長はメジャーリーガー養成ギプス
最近はやりの本を読みました。
一言で言うと、「インプット:アウトプット=3:7にすることでらせん状に成長していける」ということが書かれた本で、アウトプットの具体的な方法も盛りだくさんに書かれています。
新入社員からベテラン管理職まで、だれが読んでも学びがある本だと感じました。
今の立ち位置により、学びになる内容が違ってくるような不思議な本だと思います。新人店長の方であれば、初めて聞く内容も多いと思うので、身に付くまでは手元に辞書代わりに置いておくと良いかもしれません。(心理学的な情報も豊富で、知っておくだけでスタッフへの対応が変わってくる内容もたくさん書かれています。)
辞書代わりに使う=悩んだときに目次を眺めて、ピンとくるページを2~3ページ読むだけでも良いです。ヒントになることが書かれているはずです。
そして、ここからが本題。
タイトルの「店長はメジャーリーガー養成ギプス」。月に10冊本を読むという人でも、読んだ時間以上にアウトプットをすることは余程意識をしないと出来ないことだと思います。
しかし店長は、仕事自体がアウトプットの宝庫です。
週に2日休みがあったら、そのうちの1日は書店に足を運んで、今気になっている問題を解決できる本がないかを探していました。そして、休日に読んだ本の内容は翌出勤日の朝礼でさっそくネタにしていました。
例えば接客に問題があると思えば接客に関する本を読み、その内容を朝礼で話すのです。
あるいは、数字に弱いと思えば売上分析に関する本を読んでさっそく自分の店を分析してみるとか、売場づくりに問題意識があればそういう本を読みます。
店長は、自分のお店の「スタッフ」「商品」「売場」について権限がありますから、学んだことを試しやすいのです。
そして、小売業は一般的に52週の商売をします。1年で52回もトライするチャンスがあり、しかも結果が成功だったか失敗だったかが数字ですぐに(1週間以内に)分かります。これほど成長できる環境はなかなかないのではないでしょうか。
次に、新人店長枠を抜け出して中堅店長になりかけている方にはこちらをお薦めします。
仕事に慣れてくると、惰性で仕事をするようになりがちです。
自転車に乗るようにこぎ始めは大変でも、進みだせば店舗運営というのはこうも簡単に回るものなのかと思うようになります。
しかし、それはあなた自身の成長が鈍化することでもあります。
店舗運営が楽になり始めたら、ぜひ自分に新しい負荷をかけてみてください。自分がやったことのないこと、でもやってみたいと思っていることを始めてみてください。
いつまでも「初心者」の気持ちを忘れないことはとても大切です。
なぜなら、あなたはいつでも「新人スタッフ」という初心者を育てていく必要があるからです。そして、初心者の視点を持つことで、(惰性でも回る仕事を敢えて)ゼロベースで見直し、より良い店舗運営に結び付けられる可能性が増えるからです。
新人スタッフの気持ちを想像できる体験、初心者の体験をすることで、あなた自身が創造的であり続けることができます。
体験することはなんでも良いです。
私は英会話、心理学、日本文化(お茶)の講座に通ったりもしました。すぐに仕事に結びつかなくても、そこで感じたこと、学んだことが蓄積されて地力になります。
というか、意識的にインプットしないと、店長ってからっぽになっちゃうんですよ!(店長の皆さん、そういう感覚ありません?私はそうでした)
店長として求められることがたくさんあるので、お店でそれを出し切ると空っぽ。それを休日に一生懸命補給してまた仕事を頑張る。
小売業が商品を回転させることで売上を上げるように、インプットとアウトプットを繰り返すことでいつの間にか自分の中に地力が貯まっている。私の20代はそんな感じでした。
キャリアを考えるならば、初めは問題意識ベースでインプットをして、落ち着いてきたら興味ベースでインプットをすると良いと思います。「マイナスをプラスに」⇒「プラスを伸ばして武器にする」という順番です。初めからプラスを伸ばすのも良いですが、店舗運営においては、マイナスをゼロにするほうが費用対効果が高いです。(貯金と一緒です。浪費を止めるのと収入を増やすのでは浪費を止めるほうが簡単ですよね?)
ですので、簡単なことを片付けてから得意な事を伸ばすのをオススメします。