『仕事2.0 人生100年時代の変身力』を読んで思ったこと
この本は、すべての働く人に向けて書かれています。
とりわけ、今の仕事を渉外続けられるとは思えない人、つまりは心に不安を抱えながら仕事をしている人。あるいは、より前向きに仕事を楽しみながら長く続けたい人、やりたいことをやりたい人。
これが、『仕事2.0 人生100年時代の変身力』の冒頭の文章です。
これまでブログに書かなかった本音を、今日は書きたいと思います。
それは、「女性が、30歳を過ぎて店長を続けるのは、正直厳しい。」という事実です。これは扱う商品によって異なると思いますが、私が勤めていたような比較的低価格のアパレルブランドでは、店長を続けられるのは限られた人だけだと思います。多くの人は、体力的、精神的、また時間的制約(子育てと両立できない等)により、店長ではない仕事を選択します。なぜかというと、「店長」「実店舗」という仕事の性質上、「このとき、この場所で、この仕事をしなければならない」という制約が多いからです。(開店時間、閉店時間を店長の権限で変更できない、打ち出し日(繁忙日)も店長の権限で変更できない、お客様相手なので「今日出来ないから明日やる」が難しい等。)
私自身も、店長が嫌いで辞めたわけではなく、この制約は乗り越えられないと観念して転職をしました。「店長好き」と「店長しんどい」を天秤にかけて、しんどいの方が勝ってしまったのです。(ちなみに店長辞めたのは34歳のとき(だったはず・・・)。)
会社や社会の体制が整って、大好きな店長をずっと続けられるとしたら、それは素晴らしいことだし、そうなったらいいなと思います。でも、現実には店舗を安定させて体制を整えると、社員が抜かれる、コアスタッフの異動や退職がある…など、「砂の城」を作っているような感覚でした。
しかし、20代で店長を経験することは、私はこのうえない貴重なチャンスだったと思っています。
過去にこんな記事も書きました。
「20代で店長を経験して経営的視点を身に付けつつ、自分が興味のある分野の専門性を高めて30代ではそちらの道に進む」というのが、20代店長の賢い生き方なのではないかと思っています。
店長は、企業の中の仕事をほぼ体験できます。人事、MD、経理、在庫コントロールなど。仕事の中で、苦手な分野も最低限の知識を身に付けながら、自分の興味のある分野や強みを発揮できる分野が何かを仕事の中で探ることができるのが店長職の素晴らしさ。
とにかくお店が好き、商売が好き、スタッフが好きならば、エリアマネージャーや営業部長など、営業部門で出世の道を考える、あるいは独立してお店を出すことを考えます。
店長業務の中でも人に興味があるなら、社内で人事の仕事を目指す、あるいは転職して社会人のキャリアアップに携わる仕事もいいでしょう。
私は、「人を活かす」マネジメントの仕事が好きだったので、不動産会社のインテリア部門のマネージャー職に転職しました。今の仕事は「半年先、1年先」の仕事が多く、「今日やらなければいけない仕事」が少ないし、事前に読める仕事がほとんどなので、自己裁量で仕事が進めやすいのです。
その代わり、異業種でも通用するように、マネージャーとしてのスキルは磨き続けます。大学の通信講座で心理学の勉強をしたり、週1回は書店に行って気になる分野の本を購入して読んだり、「胃の中の蛙」にならないように、新聞を読んだり業界のことを勉強したり。
店長のいいところは、休みの日に学んだことを次の日の朝礼でさっそくアウトプットできることです。「昨日●●という本を読んで、○○ということが書いてあって勉強になった。皆さんにもぜひ読んでもらいたい。」というアウトプットだけでも、自分の中に学びが定着します。
『ライフ・シフト』では、長い職業人生を送るための手段として、3つの働き方が登場します。
3つの働き方 は、以下の通りです。
①エクスプローラー(探求者)
1箇所に腰を落ち着けず、様々な場所をめぐって視野を広げて、自分の適性や適職を見つけようとする人。
②インディペンデント・プロデューサー
小さくても自分のビジネスを立ち上げ、企業と新しい形のパートナー関係を作る人。
③ポートフォリオ・ワーカー
複数の仕事や社会的立場を持ち、様々な活動を同時並行で行う人。
20代店長はまさに「エクスプローラー」。
そこから、「インディペンデント・プロデューサー」の道へ行くか、「ポートフォリオ・ワーカー」の道へ行くかを選べるポジションです。そう考えると今のポジション、結構良くないですか?
※前提として、この本は読んでおいてくださいね!(『7つの習慣』に次ぐ必読本だと思います。この本を前提とした本(『仕事2.0』)が発売されるくらいですから…)
ワイズマン氏は、 豊富な経験と実績があるにも関わらず、いつでも「ルーキー・スマート」の感覚を呼び覚ますことができる人を「永遠のルーキー」と名付けました。
(中略)
一番大切なことは、「常に新しい仕事をし続けること」
ワイズマン氏の著書貼っておきます。
「中途半端に仕事に慣れた人が一番危ない」かつ、「そういうコンフォートゾーンで働いている人こそ新しい学びを始めるチャンス」だそうです。
異動してスタッフの名前を覚えたり、新しい環境になれるのに必死な期間、あるいは昇進して日々の仕事で精いっぱいのときは、仕事に全力投球すればよい。でも、それらが「こなせる」ようになってきたら、新しいことを始めるチャンスだということです。
『ルーキー・スマート』の抜粋で、「新しい試練が必要な人の10の兆候」というリストを掲載してくれているのですが、「新しいことを学ばない日がある」とか「他の人の問題を解決するために多くの時間を費やしている」とか、私自身当てはまるところがあってドキッとします。
もう一つドキッとする一文を抜粋しておきましょう。
最近、周囲の人が自分の発言にやたらと頷く、上司にダメ出しされなくなったなど「まったり」した状態が続いたら、”劣化まっしぐら”だと思ってください。こうした自覚症状が出たら、意識的に「経験総量」を増やす準備をした方がいいでしょう。
このあたりの話を知りたい方にはこちらおすすめです。 (持続的に成長出来る人=ニューエリート、というお話。)
ここまで読んで、「じゃあどうすればいいの?」と思った方もいるかもしれません。
本書の中ではヒントになる情報がいくつか書かれていますので、それらを参考に行動してみるのも良いと思います。
私が思うことは、「自分がやりたいことをやるのが一番楽しい」ということです。頭で考えて「この知識を身に付けておいたほうがいいかな」と資格の勉強をしたり、会社や上司が求めるように昇進・昇格の道を歩むこと。それは決してマイナスにはなりませんが、同じ時間を使うなら、もっとプラスが大きくなる選択があります。それは、「自分がやりたいことをやる」こと。
たくさん情報収集をして、インプットだけでなくアウトプットもしながら、自分の心が望む方向に進み続ける。
自分がやりたいことなんて、初めは分からないかもしれません。そういうときは、「憧れ」あるいは「嫉妬」の感情を使ってみましょう。世の中にいる多くの人を見て、その中で「あの人みたいになりたい」「あの人が羨ましい」という気持ちを抱くことがあるはずです。
そこに、あなたのやりたい事の鍵が眠っています。
そして、あなたがやりたい事を見つけたら、それを阻もうとするドリームキラーからは距離を置きましょう。あなたが何かをやりたいと意思を示したときに、「そんなの無理だよ」「もったいないよ」「あと●年は頑張れ」などいろんなことを言われるでしょう。
くそくらえです。そんな人には自分の意思なんて話さず、とにかく行動しましょう。
いきなり会社を辞める必要はありません。仕事の前後や休日を使って、小さく始めましょう。(やっぱり、いきなり大きく環境を変えるのはリスクがあるから、小さく始めて、「これはいけるかも」と思ったらだんだん大きく舵を取っていけば良いのです。)
行動すれば、同じ夢を持った仲間にたくさん出会えます。現代はSNS上でゆるいつながりがあっという間に作れる時代です。あなたが行動を始めれば、すぐに「類友」に出会えます。
まずは 『仕事2.0』。オススメなのでぜひ読んでみてください!
昨日から夏休みなので、読書量が急増しております。明日も本の話を更新します!『仕事2.0』の中でちらっと出てきた佐々木大輔さんの本を今から読みますのでその話をしたいと思っています^^