20代の女性店長&マネージャーを応援するブログ

現役マネージャーによる、店長お悩み相談室。悩める新人店長さんはもちろん、マネージャーさんや若き管理職さんのヒントになりそうな記事をUPします。

採用面接のポイントは3つだけ。合否を決めたら動機付けを始めるべし。

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こんばんは、mikaccoです。

 

店長の皆さまは、採用面接をする機会も多いことと思います。特に繁忙期後は次の繁忙期に向けた採用のチャンスです。(特に大学1年生の学生アルバイトが足りないお店は、G.W.明けは採用のチャンスです。大学にも少し慣れて、アルバイトでも始めようかなぁ、という時期なので。)

ということで今日は採用面接の話を。

 

いきなりですが、私、半年間で1,000人以上採用面接させていただいたことがあります。1対1はとても無理なので、申し訳ないけど集団面接でやらせていただきました。1回MAX5人を、最大8ターム。3か月くらい面接と新人研修だけやっていた時期がありました。

そんな中でつかんだ採用面接の極意。

ポイントは3つだけです。

 

①入室してきた瞬間。その人が売場に立って接客する姿が想像できるか。

これは、お客様目線でアリかナシかを判断するチェックポイント。容姿やファッションセンスではなく、清潔感があるか、きちんとしようとする意志がみえるか(面接に臨む服装として配慮があるか)をみます。(面接に適当な服装でくる人はその時点で×

 

②「初めまして、mikaccoと申します。本日はお越しいただきましてありがとうございます。ではさっそくですが、自己紹介と志望動機をお聞かせいただけますか?」に対する答えを聞いて、一緒に働きたいと思うかどうか。

これは前向きさとか、協調性、積極性など何かしらの良いところが見えれば◎。あるいは課題は多そうだけど、「自分が責任を持って育てたい」と思えればそれも◎。

「なんか良く分からないけどこの人嫌い!」と言う人は×。(面接なんて好き嫌いですよ!)(そして「なんか良く分からないけど」はそのうち必ず表面化してくる

 

③条件が合うか

いちばんは店舗でほしいシフトの曜日・時間帯に働けるかどうか。勤務時間、勤務の際の条件(服装とか)、時給、交通費など、双方合意できるか。

 

そうすると、30分で5人の面接をやっても合否はぱっぱっと決まります。

慣れてくると大体最初の10分で合否は決まるので、ここからは「動機付け」です。

「もし採用させていただいた場合、××という仕事があるんです。ぜひ○○さんにやっていただきたいと思っているのですが、いかがですか?」と聞いてみる。(当然ながら、それまでのやり取りで、○○さんに任せたい仕事のイメージは決まっている。)

 

○○の中には、時期によって違う役割が入ります。

例えば、採用面接スタート直後、2週間くらいで事務の手が足りなくなります。採用の人には合格の連絡して入社手続きにきてもらう。不採用の人には不合格通知を郵送する。そんなことをやっていたら面接する人(私だ)がいなくなってしまいます。

そこで、「事務をやっていますが接客にチャレンジしたいと思って志望しました」という方がいた場合、「新店オープン後はもちろん接客をやっていただけるのですが、オープン準備期間、裏で支えていただける方をちょうど募集させていただいているのですが、やっていただけませんか?」と誘う。

新人スタッフが増えてきて、トレーナーが足りない!となったときに、「今年大学を卒業しました。教職免許持ってます」という方が来たら、「すぐにレジ教えますから、慣れてきたらトレーナーやってみませんか?(トレーナーのやり方も教えます!)」と勧誘する。

オープン1か月前なら、「今から集中的にレジだけ教えます!オープニングのメインレジを打てるように頑張ってみませんか?」とか。(接客経験者だと「レジ」が「フィッティングルーム」になり、服飾の専門学校の人だと「ミシン」になり、体力がありそうな若者だと「バックヤード担当者」、目立つの大好きな人は「店頭呼び込み」になる。)

 

なお、オープン時は裏方チームの責任者(資材とか受電とかクレーム対応とか)だったのですが、採用面接を行った者の特権として、最強チームを作らせていただきました(笑)。物腰が柔らかで正確なコミュニケーションが取れ、ストレス耐性のある人。一匹狼タイプではなく、チームで物事を進めることに喜びを感じられる人の集団。ほんとに最高のチームでした。

 

あと、さすがに質問一つでは決められない場合もあるので、いくつか質問のバリエーションを書いておきます。

「接客で一番大切なことは何だと思いますか?」(接客経験者なら、「接客時に心がけていることは何ですか?」)

一見深く聞こえる質問ですが、特に答えはありません。「笑顔」でも、「相手の立場に立つこと」でも、「準備をしっかりしておくこと」でもなんでもOK。ただし、その言葉に説得力があるかどうか。「笑顔が大事だと思います」と答えた人が真顔だったら×。「準備をしっかりしておくこと」と答えた人の履歴書の字が殴り書きだったら×。

あと、「なぜそれが大切だと思うか」も突っ込んで質問できます。

「なぜ、笑顔が大切なんですか?」に対して、「お客様を歓迎する気持ちが伝えられるから」とか「お客様にリラックスしていただきたいから」とか、その人なりの価値観がみえるかどうか。

 

「今までで一番頑張ってきたことは何ですか?」

「今までチームで何かを成し遂げた経験はありますか?」

質問の仕方で大事なポイント。出来るだけ『いままでやってきた行動』について聞くこと。そして「なぜその行動をしたのか」を聞く。「行動」「具体的なエピソード」で答えてくる人は普段からそれをやっている人です。「考え」の場合、本心かどうかが面接の場では見抜けないことがあります。「考え」で答えてきた人には「何か具体的なエピソードがあれば教えていただけますか?」と助け船を出してみる。それで大体分かります。

 

最後に、「迷った場合はどうするのか?」についての私見です。「迷ったら止めておくべし」です。「迷うけど採用」と思えるならよいですが、フィフティーフィフティーだとたいてい後悔します。ぜったいに妥協が入っているから。

妥協が入ると、育成に本腰を入れられないんですよ。採用したら採用した人に育成責任がある。私はそう思っています。

部下に採用面接を任せるときには、面接の基本的な枠組みを教えたあとに、「あなたが責任を持って育てたいと思うなら採用、そうでないなら不採用にして」と言ってきました。

 

あと、自分と似た人ばかり採用する傾向がある人は要注意です。(お調子者の店長がお調子者のスタッフばかり採用するとか。最初は楽しいかもしれないけど、口うるさいしっかり者もいないとお店がガタガタになりがち、みたいな。)組織の多様性が無くなると、組織が弱くなります。おそらくブランドの採用基準があると思いますので、その原理原則に則って判断するのが基本となります(さっき好き嫌いって書いたけど!)

なお、自分より優秀な人が面接に来てくれた場合、躊躇せずに採用してくださいね!店長は「マネジメントする人」なんですから、実務なんて「自分が一番できない」が実は最高の状態なんです。自分には出来ないことが出来る優秀なスタッフ集団をつくって、自分はスタッフが最高に輝ける場をつくる。店長はマネージャーであると同時に、すぐれたプロデューサーであるべきだと思います。

 

こうやって書いていくと、店長やマネージャーというのは人を活かす仕事で、実にクリエイティブな職業ですね!もっともっと女性店長、女性マネージャーなど管理職が増えていけばいいのにな~。管理職ってぜったい女性のほうが向いてると思うんですよね。人の細かい変化に気づくのも女性のほうが得意ですし。女性店長が増えたらお店はもっと良くなると思います。

 

最後まで読んでいただきありがとうございました!