人手不足特効薬
店長の多くが抱える問題。それは人手不足。
商品整理は行き届かず、売れ筋商品は補充できず、店の隅にはホコリがたまり、レジは長蛇の列。
残業だらけで休憩室は屍のようなスタッフ。
店長のあなたは持ち帰り仕事で今日も寝られず……。
そんな年末年始商戦を過ごされた方もいらっしゃったのではないでしょうか。
残念なお知らせですが、人手不足の特効薬は……ありません!
人手不足な店舗が打つ常套手段、
「求人広告を出す」。
しかし、広告費を使って求人を出して採用しても、すぐ辞めてしまう。
なぜなら忙しすぎて新人を育てている余裕がないから。
なんなら面接をしている余裕もないから。
そして人手不足はさらに深刻となり、店の雰囲気はギスギスし、さらに人が集まりにくくなる……。
まさに悪循環ですね。
しかし、特効薬はないけれど「常備薬」ならあります。
それは、「新人の受け入れ態勢を作ってから、新人を採用する」ということです。
当たり前じゃん!と思うかもしれませんが……
新人スタッフの出勤初日にトレーナー決まってますか?(そもそもトレーナーができる人材、いますか?トレーナーにトレーナー教育してますか?)
育成目標、育成計画立ててますか?
OJTのスケジュール、ワークスケジュール(シフト)に落せてますか?
上にさらっと書きましたが……トレーナー教育をしていない店長さん、多いのではないかと思います。
「自分ができる」ことと、「人に教えられる」ことの間には、ひとつ大きな壁があります。
天性として備えていたり、兄弟に弟や妹が多くて日常的に「教えて」きた人もいますが、トレーナー教育を受けなかった多数のトレーナーは「自分がやっている手順をそのまま教える」か、「自分が教わったように教える」しかありません。
たとえば「俺は教えないから、見て盗め」みたいな職人気質な人だった場合、大半の新人さんは心が折れてしまいます。
たとえば、なんでもすいすいこなせる器用な人がトレーナー、同じことを10回練習しないとマスターできない不器用な人がトレーニー(新人さん)だった場合、2,3回目で「店長、こいつ向いてないっすよ」と言われてしまうかもしれません。
トレーナーの絶対的スタンスとして、「トレーニーが出来ないのは自分のせい、トレーニーが成長したらトレーニーの努力(のおかげ)」という気持ちが必要です。
「できない人をどうやってできる人に育てるのか?」をトレーナーに教えないと、実は人材育成は出来ないのですね。
トレーナーがしっかりしていると、早期退職率ががくんと減ります。
「わからないことはこの人に聞けば教えてくれる」ということが安心感につながるし、
昨日できなかったことが今日できるようになった、それを見ていてくれるトレーナーがいるということが喜びや肯定感につながるからですね。
そもそも人間は、「自己成長」に喜びを感じるもの。自分を気持ち良く成長させてくれる環境 が整っていれば、そこに居続けようと思うものではないでしょうか。
もう一つ良いことがあって、トレーナーに任命したスタッフの仕事のレベルが上がります。例えば、レジひとつとっても、ミスが減ります。
トレーナーとして「確認ポイントは~」と話すことが、自分自身の仕事にも反映されるからです。そして、新人さんから「僕がここまでできるようになったのは●●さんのおかげです!」なんて言われた日には、マンネリに陥っていたベテランスタッフもやりがいを感じること間違いなしです。
というわけで、人手不足の特効薬、ではなくて常備薬が「教育体制を整える」ということです。
教育の内容は?という話はまたの機会に。