小売業は事件でできている
何事もなく、平穏無事に営業し、1日が終わる。売上を達成し、経費は予算内で収まり、クレームもなく、残業もなく終わる1日。
小売業に携わる人間にとって、理想ではありますが、そんな日があったとしたら、それは奇跡の1日でしょう。
大なり小なり、日々何かしらの事件があります。小売業は事件でできているといっても過言ではありません。ちょっと言いすぎました。
今日は、私が遭遇した事件・事故をご紹介したいと思います。
一応、どうやって収束させたか、みたいなことも書いてみますので同じ場面に遭遇した時には少しだけ参考になるかもしれません。
その1 酔っ払いがマネキン破壊しまくり事件
22時閉店の繁華街の店舗。
21時を回り、客足も収まってきた頃・・・レディースフロアで男性がいきなりマネキンを倒し始めた!
「店長・・・マネキンを倒してる男の人がいます」と謎の報告を受け、マジで意味が不明でした。
とりあえず「警備会社に通報して」としっかり者の女性スタッフに指示をしつつ、男性スタッフ総動員して犯人を追いましたが捕まえられず。
売場に戻ってみると、笑っちゃうくらいの破壊活動の後(涙)
スタッフにもお客様にも危害がなかったことが幸いでした。
ここでの教訓は、酔っ払いは本気で入店断ったほうが良いということ(酔っ払いでした)と、警視庁はマジで頼れるということです。
毎月高い金払ってる警備会社よりも交番の方のほうが先に到着したくらいですから。
もう一回言います、都内で店長してる皆さん、警視庁はマジ頼りになりますよ!
(第1弾でも書きましたが着任したら最寄りの交番に挨拶に行くのオススメですよ!)
その2 7階建ての6階が浸水する事件
事件は9月の長雨の夜に起こりました。
集中豪雨で1階が浸水するという事件はたまに聞きますが、1階~5階がなんともないのに、そして7階もなんともないのに、6階だけ浸水するって聞いたことあります?あったんですよ。
朝出勤して、最初は気づきませんでした。
で、売場のほうに進んでいくと水たまりがあって、「やだー雨漏り?」最初はそう思いました。
そしたら水たまりがどんどん深くなっていって、水深3㎝くらいになって、それがずっと続いてて。
「うわー」って言いながら水のないところまでぱしゃぱしゃ歩いていくと、もう戻れない。(なぜ引き返さなかったのか)
よくよくたどってみると、前の晩に出したばかりの新商品を陳列した壁の奥から雨漏り(っていうレベルでもないけど)してて、商品が全部だめになって、それは保険が下りるんだけどそのために棚卸しないといけなくて、雨漏りは結局最上階の一部に設けられたテラスの側溝が詰まってて排水されなくて溢れて壁の隙間から入り込んだということが判明してこれ完全にディベロッパーの責任ですよね、と事務所に殴り込んで・・じゃなくて怒鳴り込んで・・でもなく冷静に状況をお伝えしにいったのに謝罪の言葉ひとつ聞けず、結局スタッフ総出で掃除して、2時間遅らせてオープンしました。
もし同じ目に遭遇した人のためのアドバイスとしては、浸水した場合の掃除にはチリトリがいちばん役に立つということをお伝えしておきます。
ちなみにこの店で起きました。着任して2ヶ月くらいでした。ハードモードすぎて、あんまりじゃないかと思いました(涙)。
その3 オープンエラー
これはエリアマネージャーしてたころの事件です。
その日私は休日でした。天気も良いし、洗濯して買い物でも行こうかな~とウキウキ。
そんな朝10時7分前(つまり「9:53」)頃かかってくる一本の電話。
相手はA店の店長の私用携帯。
なんとなく嫌な予感で電話に出ると、「寝坊しました」と一言。
A店のオープン時刻は10:00。
オープンエラー(テナントのオープン時刻に店がオープンできない)確定です。
「まずディベロッパーさんに電話して警備員さんに店の前に立ってもらってください」
ということと、「とりあえず事故しないように気を付けつつ可能な限り早く店に行ってください」ということを伝えて、私は私で慌ててスーツに着替え、ディベロッパーの担当者さんと上司に連絡を入れ、車で1時間かかるその店に急行。
不幸中の幸い?で、そこはわりと緩いディベロッパーさんだったので「次はないように頼むよ~」と30分足らずで釈放されました。(これがイ●ンとかル●ネだったらどうなっていたのか、想像するだに恐ろしや……やったことないけど、もしかして違約金とかあるんですかね……)
しかし本当の地獄はそこから始まった……。
再発防止のため、A店の早番のスタッフから「起き電(起きたら電話)」が入るという
ことになってしまいました。(休みの日も!すっごく!嫌だったけど!仕方なく!)
スタッフ数が少ないアパレルのお店って多いと思うんですけど、本当に皆さんどうしてらっしゃるんでしょう。私の同僚のマネージャーたちはやっぱり起き電地獄に苦しんでましたが(苦笑)
いや~、事件はやっぱり現場で起こってるんですね。
皆さまも何か事件に遭遇された際は頑張ってくださいませ!
(事件にならないように事前に打てる手は打っておくっていうのが一番ですけどね!)