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現役マネージャーによる、店長お悩み相談室。悩める新人店長さんはもちろん、マネージャーさんや若き管理職さんのヒントになりそうな記事をUPします。

数値で目標を立てる補講編 ~定量情報からの情報収集~

 

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どんな店にしたい?シリーズ・その3はこちら。

mikazukiya.hatenablog.com

 

数字が苦手!という方のための補講編。定量情報(=数字で表せる情報)から情報収集をして、意思決定をするまでのプロセスを補足したいと思います。

 


どんなに素晴らしい店にしよう!と思っても、現実はなかなか厳しい。

 

そもそも「うちならではの良さ」なんて別にないし、

スタッフもなんかやる気ないし、

商品もぱっとしないし…なんて。

 

 

目標を決めるには、

 

「原理原則」を理解しており「判断基準」を身につけていること

 

という土台があり、

その土台の上に立って

 

「情報収集」をして「意思決定をすること」

 

が必要です。

 

店長に任命されたということは、会社の判断基準を理解している、と評価されているはずなので、ここでは「情報収集」の話をします。

 

 

店長業務は、決断の連続。そしてその決断は、「店長の気分次第で変わるもの」であってはいけないし、たとえそうでなくともスタッフからそう思われてはダメです。

 

勘違いしてほしくないのは、「一度出した結論を変えてはダメ」ということではありません。

 

状況が変われば判断も変わるもの。右と言ったことを、明日には左と言わなければならないこともあります。

ただし、その理由が明確で、筋の通った客観的な判断基準(やどうにもできない外部要因など納得できる何か)がなければスタッフはついてきてくれません。

 

とにもかくにも、店長の「情報収集不足」による判断の誤りはないようにしなければなりません。

 

 

そう、意思決定には「情報」が必要です。

決められないということは、情報が足りていないということ。

思い込みによる誤った意思決定をしないためにも、「意思決定の前に情報を集める」ことのくせづけは大切です。

 

情報の種類は2種類あります。

定性情報・・・目で見たり、耳で聞いたりして得られる情報

定量情報・・・数字で表される情報

 

それぞれメリット・デメリットがあって、 

定性情報は、情報を得ることが容易だが、人によって解釈が異なる場合がある

定量情報は、情報を得るためにコスト(労力)がかかるが、共通認識ができる

(システム化出来ている会社だと、定量情報は簡単に手に入る、万人が共通認識できる(説得力がある)強力な武器だということですね。←もちろんその裏ではコストがかかっていますので、有意義に使いましょう!)

 

たとえば、「売上を上げたい」という場合。

まずは定量情報→定性情報、の順で問題を発見していく方法。

 

売上=客数×客単価

(買上)客数=入店客数×買い上げ率

客単価=平均買い上げ点数×商品平均単価

 

で、どこに問題があるのか?を分析する。

目標比、前年比、前月比、全店平均との比較、ディベロッパー内同業他社との比較・・・

どんな数字が用意できるかどうかは店によって違うと思いますが、使える数字は全部使って分析。

 

そのうえで、例えば「客数」に問題がある、と判明したとします。(前月比70%、とか、前年比50%、とか)

 

買上げ率だけは定点調査するのに労力がかかるんですが、(日本野鳥の会の人が使うカウンターを2こ両手に持って、「入店したお客様」と「ショッパーを持って出てきたお客様」の数を数える、という・・・うまくやらないと怪しい人になってしまうという・・・)

 

まあ、ディベロッパー店舗で30分くらいそれをやりますと、「入ってくるお客様がそもそも少ない」のか、「何も買わずに出ていくお客様が多い」のかが分かります。

 

そこまでやらずとも、売り場に立っているだけで体感できるかもしれません。

 

「入ってくるお客様を増やす」行動と、

「入ってきたお客様に買っていただける確率を増やす」行動、

重きを置く行動がまったく異なりますよね?

 

入ってくるお客様を増やすには、

・店頭のディスプレイでひきつける、興味を持っていただく

(なんかいいものあるかも!と思わせる)

・入りやすい雰囲気、安心感

(ここで私は楽しく過ごせるかも!と思わせる)

 

ディスプレイがおしゃれならいい、声がでかけりゃいい、安けりゃいい、というわけではないのがむずかしいところ。頑張ってるつもりで逆効果な店舗も多いです。 

 

入ってきたお客様に、買っていただける確率を増やすには、

・接客(タイミング、第一印象、商品説明、クロージング)

・在庫管理、陳列の分かりやすさ、取りやすさ

・クリンリネス

 

などでしょうか。

 

ここまでくれば、スタッフからも良い意見がたくさん上がるのではないでしょうか?

 

たとえば、「入店客数」に問題があって「商品平均単価」は全社平均以上、という場合。「売上を上げるために何をしたらよいと思う?」とスタッフに聞いても、

「高額商品のアウター接客頑張ります!」など的外れな意見が出るのが関の山。

売上不振という問題は解決せず、スタッフも頑張ったのに報われず、踏んだり蹴ったりですね。

 

店長が情報収集をして、「うちの店、他店と比べて入店客数に問題があるみたいなんだけど、何か良い案ある?」という問いを投げかけたらどうでしょう?

「間口が狭いから什器の置き方変えてみましょうか」とか、

「春らしい差し色を前に出して目がいくようにしてみましょうか」とか、

「あまり前に出すぎず、気軽に見ていただけるようにしましょうか」とか、

「キャンペーン企画してDM出してみましょうか」とか、

それらしい案がそれなりに出てくるのではないでしょうか。

 

スタッフには言わせたいだけ言わせる。

そのうえで、店長がいちばん効果があると考える方法を「店の方針」とするのです。

小売業なので、「量的に一番効果がありそうな方法」を選べば、大失敗することはないでしょう。

 

これを繰り返していけば、スタッフには

「店長は私たちの意見を聞いてくれる!」

「店長決断力がある!」

「今度の店長は頼りになる!」

「今の店長になってから売上が上がった!」

などと思ってもらえるでしょうし、スタッフに店長として信頼してもらえれば、お店としての成果も出やすくなるでしょう。