20代の女性店長&マネージャーを応援するブログ

現役マネージャーによる、店長お悩み相談室。悩める新人店長さんはもちろん、マネージャーさんや若き管理職さんのヒントになりそうな記事をUPします。

朝礼はトレーニングのチャンス

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店長といえば、校長先生に次いで話が長いもの。

(話の短い店長なんて聞いたことない(笑))

 

問題はその中身です。

あなたはどのレベルの朝礼をしていますか?

 

レベルゼロ

やらないほうがまし(品出ししてたほうが売上取れるレベル)

スタッフに対する不満、売上不振に対する文句、他社に対する賛辞(に対してお前らダメ、という貶め)

 

例:「売上全然行ってないので、もっと頑張ってもらわないと困ります」

「みなさんからはやる気が感じられません」

「もっと勉強してください」

「休日返上でやれとは言わないけど」←じゃあ何?笑

 

自分の感情をぶつけてるだけ、何も改善しません。

「みなさん」から「やる気」を引き出すのが店長の仕事、

スタッフの知識が増えるよう取り組みを考えて実行するのが店長の仕事、

仕事の時間内で成果を出させるのが店長の仕事です。

 

 

 

レベル1

情報伝達の朝礼

昨日の売上実績、今日の売上目標、売り出し商品の情報など。

ノート見れば伝わるよね?という内容。

スタッフの大半は無駄な時間だと思っている。

なんならメモとるふりして店長の似顔絵落書きしてます。

 

 

レベル2

スタッフに発言を求める朝礼 

ミニミーティングとして朝礼の時間を活用する方法。

ただし、「本音」が引き出せればよいですが、形だけの発言だと逆効果です。

この時間で適切な意見が出てくるなら、そもそも普段のコミュニケーションの場で

出てくるはず。

私は、スタッフと1対1で会話をする中で、「これはみんなに伝えてほしい」と思う

ことを「みんなの前で言わせる場」にしていました。

スタッフの発言のあとで、「(店長の)私も賛成。なぜなら●●だから。(賛成の理由も言う)みなさんはどうですか?」と

聞くことで、店の中でコンセンサスが取れた状態になります。(あれ、腹黒い?)

 

レベル3

ロールプレイング

店舗って、つねに育成の課題を抱えていますよね?

私が普段やっていたのは、

①まず「情報の解釈」を最低限伝える

売上の数字は事前に確認しといてね、で、それ前提で今の数字、何が良いか悪いか、どのくらい良いか悪いか、今の店の課題は?という私の考えをコンパクトに伝える時間。

例:先週から商品Aの全社キャンペーンが始まりましたが、売上目標数に対して●%、時店で1日●枚足りません。

 

②課題を解決するために「理想的なスタッフの行動」をロープレする。

例:今日はこの商品の接客のロープレをします。

  確認で、商品Aのお勧めポイントは?(スタッフから出てこなければ店長が言う。「その場」である程度の商品知識を仕入れられるように)

  では2人一組でやってみましょう・・・

 

ちなみに、ロープレはできるだけ少人数グループでベテランと新人を組ませること。そしてベテランからやらせるのがポイント!新人さんに「見本」を「体感」してもらうことが、育成の近道です。

「できる、できない」を評価して「できない」ことを叱責する場ではなく、「課題を解決するための行動を学ぶ場」として、楽しんでやることが効果を出す秘訣です。

 

アパレルなら、実際に着ることだけで商品知識が身につくし、マジおすすめです。

朝礼に1日15分、うち毎日5分やるだけでも1週間に30分近くは「トレーニング」できる計算です。

ね?どうでもいい店長の長話聞かせるより、よっぽど売上につながりそうでしょ?

お客様は大事、だけど

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今日は、過去に私が体験した「変な人」をまとめてみました。

お客様は大事。だけど、お客様とは呼べないような方も世の中にはいるものです。

 

 出会った時は結構衝撃を受けましたが、今となっては笑い話。似たような方に出会う新人店長さんもいらっしゃるかもしれませんが、そんな時は「私だけじゃなかった!」と困惑を心の余裕に変えていただければ幸いです。

 

では参ります。

 

エントリーナンバー1

「同じサイズなのに、●mmも違うって不良品じゃないの?」

 

これは、試着室に何枚も同じ色、同じサイズ、同じデザインの服を持ちこんで着比べる、というかーなーりー、変わった人でした。

ご本人の身なりは、とても「数ミリにこだわる美意識のかたまり!」みたいな感じではなく、フツーのおばさん。というかかなりかわったおばさん。

 

会社の基準で、●㎜以内は許容範囲なんです、布ですから多少は誤差が出ます・・・とご説明しても納得せず、試着して着比べて差が分かるはずもないのに延々と試着を繰り返す・・・。

 

こういう人は、基本的に「さみしくて暇な人」です。フツーの人は、数ミリにこだわらず、さっさと買い物を終えます。付き合えば付き合うほどハマりますので、笑顔で、毅然とした態度で接したほうがよいです。同調すればするほど滞在時間が長くなります。

「こういうものなんですよ」ときっぱり言っちゃいましょう。

 

エントリーナンバー2

「俺の時間を返せ!」

 

何に対する時間かというと、「自分が文句を言っていた時間」だそうです(笑)。

スタッフの対応が悪い、ということで、売場で長時間お話しされていたお客様です。

商品の値段の案内も絡んでいたので、「ご納得いただけなければご返金させていただきます」「新しいものをお取り寄せして、ご自宅までお届けに伺います」と言っても「そういうことじゃない」と。

本人も、店長もお店の非を認めて謝っている、店としてできること(この場合は返金とか商品のお届け)をご提案させていただいているにも関わらず、それ以上のことを求める方は、お客様ではなくクレーマー。

堂々巡りの話で、時間を返してほしいのはこっちだよ!と思いました。

もう、そういう人には「私共としては、●●というご提案をさせていただいております。これ以上のことは対応致しかねます。」ときっぱり言いましょう。

それで大声を出したり暴れだしたら、さっさと警備員(か警察)に連れて行ってもらいましょう。

 

エントリーナンバー3

「私、日本人に接客してもらいたいのよね」

 以前も書いた、外国人スタッフがいる店で言われた言葉。

これには悲しくなってしまいますね。

もちろん、戦前に生まれた方で、本当に苦しい、辛い思いをされた方もいらっしゃると思います。でも、それは目の前のスタッフ自身の落ち度ではありません。

嫌ならば黙って接客を断ればよいだけのこと。わざわざ相手を傷つけるような言葉を伝える必要はないと思います。こんなこというのが自分の母親やおばあちゃんだったら、私はとってもがっかりして悲しい気持ちになります。

 

年長者なら、「若いのに、母国語と違う言葉を話して、異国で仕事をするなんてすごいわね」くらい思ってほしいなぁ……。

 

エントリーナンバー4

「お金がないから(盗みました)」

 

これは、万引きで捕まった若者の言葉。

働けーーーーー!!

18,19くらいの若者でした。

万引きしたものは、ジーンズ1本。うちで1日働けば、買えるよ?(しかも社販で)

 

ちなみに、万引きが発覚しますと、商品と一緒にバックヤードに来てもらって、場合によっては警察を呼びまして、話をするんですが……

ああいうときって、なに話せばいいんですかね?

私は「あきれてものも言えない」という感覚がいちばん近かったです。

興味本位の中学生、高校生には「私たちがどうやってお給料を得ているか(1枚の服を売っていくら儲けがでるのか)」とか、「あなたたちが万引きしたことで、どのくらいの損害が出るのか」という話をして、さらに「万引きで立件されたら前科がつくよ、人生それでいいの?」と脅したりしてましたが、

大学生とか主婦とか、大人に対してそんなことを言っても仕方ないし・・・という感じでした。

出入り禁止の誓約書をもらって終わり、ということがほとんどでしたが、腹に据えかねて、一度だけ起訴までいったこともあります。

 

エントリーナンバー5

「土下座しろ」

はいきたーーー!

「倍返し」が流行っていたころ、「いつか言われるかなー」と思ったらやっぱり言われた笑。

ひと月で2回言われました笑。どちらも男性。

この時点で、もうお客様じゃないので、警備員呼んで速やかにお帰りいただきました。

返事は当然、ドクターXの米倉涼子さんばりに「致しかねます」で笑。

 

私は女性なんですが、女性とみると強く出るおじさん、あれ、何なんですかね?

「お前そんだけ長いこと生きてて、それしか言えないのかよ!」

熟年離婚されろ~」と心の中で思っておりました。

 

紳士な男性は、間違っても「土下座しろ」なんて言いませんし、ほめ言葉としても、「あなた感じがいいね」とはおっしゃってくださっても、「若いのにえらいね」「女性なのにすごいね」なんて言いません。仕事をするうえで「男なのに」「女なのに」「若いのに」というのは関係ないこと。日本にいて「日本人なのに日本語しゃべれてすごいね」っていう言葉と同じくらい意味がないこと。

あなたにもやっとする言葉を投げかけるのは、あなたの責任ではなく、言葉を発した人の責任。意味のない言葉として受け流したらいいんです。

 

それから、クレーマー対策で、警察とか警備員との付き合い方は結構大事かな、と思っております。ディベロッパーは必ず警備員を用意していますし、ロードサイドなら最寄りの交番か警察署があります。店長として着任したら、一度ご挨拶にお伺いしておくとよいでしょう。そして、直通の電話番号を伺っておくこと。

クレーマーで困ったら、決定的な事件が起きる前に、早めに相談しておくこと。

ベテランの警備員さんや警官の方に、「なんかあったら飛んでいくから、気軽に連絡してくださいね!」と言ってもらえたら、それだけで安心しますよね。 

 

お客様は大事ですが、お客様じゃない人相手には自分やスタッフが傷つかないように、できることはやっておきましょう。

(なんか最後はまともなオチがついた!)

 

人手不足特効薬

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店長の多くが抱える問題。それは人手不足。

商品整理は行き届かず、売れ筋商品は補充できず、店の隅にはホコリがたまり、レジは長蛇の列。

残業だらけで休憩室は屍のようなスタッフ。

店長のあなたは持ち帰り仕事で今日も寝られず……。

そんな年末年始商戦を過ごされた方もいらっしゃったのではないでしょうか。

 

残念なお知らせですが、人手不足の特効薬は……ありません!

 

人手不足な店舗が打つ常套手段、

「求人広告を出す」。

しかし、広告費を使って求人を出して採用しても、すぐ辞めてしまう。

なぜなら忙しすぎて新人を育てている余裕がないから。

なんなら面接をしている余裕もないから。

そして人手不足はさらに深刻となり、店の雰囲気はギスギスし、さらに人が集まりにくくなる……。

 

まさに悪循環ですね。

 

しかし、特効薬はないけれど「常備薬」ならあります。

それは、「新人の受け入れ態勢を作ってから、新人を採用する」ということです。

 

当たり前じゃん!と思うかもしれませんが……

 

新人スタッフの出勤初日にトレーナー決まってますか?(そもそもトレーナーができる人材、いますか?トレーナーにトレーナー教育してますか?)

育成目標、育成計画立ててますか?

OJTのスケジュール、ワークスケジュール(シフト)に落せてますか?

 

上にさらっと書きましたが……トレーナー教育をしていない店長さん、多いのではないかと思います。

 

「自分ができる」ことと、「人に教えられる」ことの間には、ひとつ大きな壁があります。

 

天性として備えていたり、兄弟に弟や妹が多くて日常的に「教えて」きた人もいますが、トレーナー教育を受けなかった多数のトレーナーは「自分がやっている手順をそのまま教える」か、「自分が教わったように教える」しかありません。

 

たとえば「俺は教えないから、見て盗め」みたいな職人気質な人だった場合、大半の新人さんは心が折れてしまいます。

 

たとえば、なんでもすいすいこなせる器用な人がトレーナー、同じことを10回練習しないとマスターできない不器用な人がトレーニー(新人さん)だった場合、2,3回目で「店長、こいつ向いてないっすよ」と言われてしまうかもしれません。

 

トレーナーの絶対的スタンスとして、「トレーニーが出来ないのは自分のせい、トレーニーが成長したらトレーニーの努力(のおかげ)」という気持ちが必要です。

「できない人をどうやってできる人に育てるのか?」をトレーナーに教えないと、実は人材育成は出来ないのですね。

 

トレーナーがしっかりしていると、早期退職率ががくんと減ります。

「わからないことはこの人に聞けば教えてくれる」ということが安心感につながるし、

昨日できなかったことが今日できるようになった、それを見ていてくれるトレーナーがいるということが喜びや肯定感につながるからですね。

 

そもそも人間は、「自己成長」に喜びを感じるもの。自分を気持ち良く成長させてくれる環境 が整っていれば、そこに居続けようと思うものではないでしょうか。

 

もう一つ良いことがあって、トレーナーに任命したスタッフの仕事のレベルが上がります。例えば、レジひとつとっても、ミスが減ります。

トレーナーとして「確認ポイントは~」と話すことが、自分自身の仕事にも反映されるからです。そして、新人さんから「僕がここまでできるようになったのは●●さんのおかげです!」なんて言われた日には、マンネリに陥っていたベテランスタッフもやりがいを感じること間違いなしです。

 

というわけで、人手不足の特効薬、ではなくて常備薬が「教育体制を整える」ということです。

 

教育の内容は?という話はまたの機会に。

どんな店にしたいか決めたらやること その3・数値で目標を立てる

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どんな店にしたいか決めて、

スタッフとも最低限の信頼関係が築けて、

店長として店の数値も確認したら、いよいよ目標を決めます。

 

ざっくりでも良いので、年間目標、半期目標、四半期目標、月目標を立てましょう。

 

大事なポイントがあります。

目標は必ず!数値で決めてください。

 

例えば、「お客様がぜったい笑顔で帰っていただける店」にしたいを考えたとします。

それを実現できたら、数値はどう変化しますか?

 

売上は?

客数は?

客単価は?

 

「ぜったいに」「笑顔で」帰ってくださるなら、きっとそのお客様は再来店してくださるでしょう。ということは、少なくとも客数は前年比100%を超えるはずです。

どのくらいのさじ加減かは店長にゆだねられますが、店に可能性を感じるなら、少し高めの目標設定にしても良いと思います。というか、高めの目標のほうが結果は出やすいです。

 

「接客力を上げ(て売上を上げ)る」という抽象的な目標でも、買い上げ点数を上げるのか、単価の高い商品を売るかでは取り組みが変わります。

店舗の立地、客層によって作戦を考える必要があります。

たとえば、駅の構内にあるような慌ただしい感じの店ならば、単価の低い商品+1点、というような、買い上げ点数を上げる取り組みになるでしょうし、

百貨店の中にある落ち着いた雰囲気の店ならば、じっくり試着していただけるボトムスやアウターなどの高単価商品に力を入れたほうが良い結果に結びつくかもしれません。

 

数字の目標(特に大きな数字からブレイクダウンした、現実的な数字の目標)は分かりやすいし、説得力がありますよね。

 

ちなみに、私が新人店長のときに掲げた「ノーストレスで買い物ができる店」を実現するためには、下記の数字を意識しました。

 

・客数、客単価(前年比100%を超えることが目標。ノーストレスで買い物ができるなら、絶対競合店よりウチを選んでもらえる!という思い込み笑)

・TOP60商品の欠品率 全店平均以下(仕入れるだけでなく、品出しするところまで。だってほしい商品が売り場に並んでいなかったら、ストレスですよね?)

・時間帯別売上構成比、売上額、客数の前年実績、先週実績、今週予測(それに合わせた必要人員を配置をする。だってノーストレスだから・・・)

・クレーム件数 ゼロ(とにかく「不」をなくす。不満、不快、不備・・・だってノーストレスだから!)

・レジ待ち ゼロ(これは、車での来店率が高かったため、回転が落ちると売上も落ちるから、という理由もあり。)

 

ちなみにこの店舗は、「利益出さないとつぶすよ?」と会社から勧告を受けていた店舗だったのですが、半年間でなんと貢献利益前年比200%超えを達成して、表彰もしていただきました!(当然売上、客数、客単価も前年比超え!)(自慢!)

 

こんなにうまいこと成果が出たのは、スタッフに恵まれて、かつ運が良かったということが大きいと思っていますが、そもそも目標を立てなければ成果もなかった(か、あってももっと小さかった)はずだと思えば、私にとってはものすごい成功体験でした。

 

でも、行動したのは自分だけど、行動させてくれたのは、まわりにいた上司や、先輩店長や、スタッフのおかげです。その感謝の気持ちをどこかで返したくて、こうやってブログに書いているというわけなのです。  

というか、もう、数値で「これならいけるんじゃね?」という目標をたてられたなら、その目標は八割方達成したも同然です。(段取り八分。)店長には道筋が見えていて、スタッフが見えるところに旗を刺したのですから、これでたどり着けないわけがない(と思いこんでやると結構たどり着ける)。

 

もうね、悩んでる店長さんはとにかく数字力を磨いたらいいですよ。

スタッフと話すときに、数字を根拠に話すくせをつける。そうすると、スタッフに「成果を出すための要求」ができるくせがつきます。

スタッフだって、「成果を出しまくってるイケてる店」で働いた方が楽しいに決まっている。イケてる店で働くスタッフは、「厳しさ」に誇りを持ち始めます。そうすれば店は店長が何をしなくとも勝手に成長していきます。

店長の「作りたい店」をかなえるためには数字はものすごい武器になります。数字力を身に付ければ、上司だって社長にだって、自分のやりたいことを訴えることができるんですよ。

経営者の意思決定は、必ず数字でなされるものなんです。

 

数字力と意思決定についてはこちらも合わせてどうぞ。

mikazukiya.hatenablog.com

mikazukiya.hatenablog.com

 

 

どんな店にしたいか決めたらやること その2・お店の数字を徹底的に把握する。

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スタッフがいて、商品を仕入れることが出来、商品を並べてお客様をお迎えする場がある。

 

これは「当たり前」のことではありません。

人件費、設備費、広告販促費、仕入れのための商品代金、その他もろもろ、店舗運営にはお金がかかります。チェーン店なら、本部でかかっている費用も賄わなければなりません。

 

利益=売上ー経費>0 

 

つまり利益を残さなければ、お店は存続できません。

 

どんな店にしたいか決めたらやること、その2は、

「自店の『数字』を徹底的に把握すること」です。

 

その2、というか、現実にはその1と並行してやることになるかと思います。

 

損益計算書

 店の成績表です。過去1年分くらいは分析しましょう。

 年間、半期、四半期、単月でどのくらい利益が出ているのか。

 そして、自分の店の「損益分岐点売上高」は必ず把握しましょうね。

 

損益分岐点売上高=固定費÷限界利益

 ※限界利益率=固定費÷売上

 ※固定費を出しづらい場合は、近似値として人件費・設備費・広告販促費を固定費とみなして計算してみるか、1年の中で営業利益が「0」に一番近い売上を仮で損益分岐点売上高とみなしてみる等、「だいたいこのくらい」を把握しましょう。

 

「売上」は別の帳票で分析できるので、損益では「経費」を重点的にチェック。

 

「売上原価(仕入原価)」

「人件費」

「設備費(家賃など)」

「広告販促費」 

このあたりの数字を抑えておきましょう。

 

視点は「変化を見る」「構成比を見る」「基準と比較する」の3つ。

 

【売上】

どういう帳票があるのか、お店によって多少の違いはあると思いますが……

 

売上額、達成率、前年比、他店との比較(年間、半期、四半期、単月)

客数

客単価

カテゴリー別売上額、達成率、前年比、構成比

時間帯別売上構成比

単品別売上(額、個数)

 

他に車来店率とか、ディベロッパーからもらえるなら買い回り店舗とか、

データで見られるものは一通り把握しましょう。

 

 

なんのためか。

「頑張ったらむくわれる店」にするためです。

 

前に「店長は旗を刺す役割」と書いたかと思います。

 その旗を目指してスタッフは一生懸命頑張ってくれる。

でも、いざその旗にたどり着いたとき、店が赤字だったら?

スタッフの頑張りはまったく無駄になってしまいます。

赤字の店は存続できないからです。

 

店長が掲げた目標を達成することが成果になる」ということがとても大切です。

そして、そのためには、数字による裏付けが必要なのです。

 

 

店長が立てる目標は、 「数字」がスタートであり、ゴールでなければなりません。

 

店長が立てる目標とは?次回に続きます。

 

※オマケ

数字に自信がない(涙)という方には

ビジネスマンのための最新「数字力」養成講座 (ディスカヴァー携書)

 をお勧めします。

小宮一慶さんの〇〇力養成講座はどれもオススメです!)

どんな店にしたいか決めたらやること その1・スタッフを知る+自分を知ってもらう。

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今日のテーマは、どんな店にしたいか決めたらやること、その1。

 

【スタッフと人間関係を築く】

ここ何本か、人間関係に関する記事を書きました。

何かをやりたくても、店長って基本的に一人では何もできないんですよね。在庫の発注くらいはできますが、それ、一人で全部品出しできます?出来ませんよね?(その日1日はできても、毎日365日は無理ですよね。)

 

店長は別にえらくないんです。

ただ店のトップとして、方向性を決めて目標の旗を差すことが役割として与えられているだけのこと。

そして、その役割を果たすためにいくつかの権限が与えられているだけのこと。

店長とスタッフは、根本的なところで「対等」でいなければならないと私は思っています。

対等、というのは、「思ったことは言える」「困ったことは相談できる」「お互いの権利が尊重される」ということ。

まずはスタッフ一人ひとりと、そういう基本的な人間関係を築くことがスタートです。

 

店長の皆さまに質問です。

・スタッフのフルネーム、漢字で書けますか?

・住んでいるところ、どんな交通手段で通勤していて、どのくらい時間がかかるか把握していますか?

・家族構成は?小さなお子さんや介護が必要な方が家族の中にいる場合は、シフトの配慮が必要な場合がほとんどです。

・学生なら、何年生で、何を勉強していて、将来何を目指しているか知っていますか?店長のあなたが社会人の先輩として、何か出来ることがあるかもしれません。(就職面接の練習とか、言葉づかいとか身だしなみのチェックとか、ね。)

・スタッフの趣味や誕生日を把握していますか?

・社会人経験のある方なら、前職は何をしていたか、学生時代は何を学んでいたか、把握していますか?

ちなみに私は、旗艦店の新店をやったときに、これを把握していたことでものすごく助けられました。

マスコミ対応のためのPR部隊、新人スタッフのトレーナー役、海外のお客様対応係、電話対応(主にクレーム対応!)、客注対応の事務作業・・・など、新店準備期間の半年間で採用したスタッフの中から適任者を見つけて、動機付けして、トレーニングして・・・ということをやりました。採用業務に手が回らなくなったころ、自分で面接したスタッフの中で事務経験がある子に目星をつけておき、新人スタッフ研修が終了するやいなや自分の秘書になってとお願いしたことも(笑)

新店の話は面白い話がたくさんあるので、また別の機会に書きたいと思います。

 

 

 

今は個人情報が~、とか、セクハラ・パワハラが~、とか、いろいろ難しい時代ではありますが、上記のようなことは店長として知っておくべきだと思うし、スタッフは知ってほしいものではないでしょうか。

 

たとえば、毎年サマソニは欠かせない!というスタッフがいたとして、「セールの時期に連休なんか上げられないよ」と突っぱねる店長と、「シフト厳しいけど、●●さんのいちばんの楽しみだもんね、ここは休みにするから、かわりにこの時期に協力してね」と言ってくれる店長、どちらの店長のもとで働きたいか。

言うまでもなく後者ですよね。

 

そして、スタッフは、

・あなたがどんな経歴で今の店に来たか知っていますか?

・あなたが店長として「やってほしくないこと」が何か理解してくれていますか?(私の場合は、「うそをつくこと」「思っていることを発言しないこと」「分からないことを質問しないこと」でした。

要するに「なんでも言い合える関係になろうよ!」ということを着任して最初の面談のときに全員に伝えてました。)

・あなたの出身地や趣味、家族・・・などパーソナルなことを一定程度でも構わないので、知っていますか?

(その人がどんな人なのか?分からないで働くのはこわいし、つまらないと思います。)

 

お互いに興味を持って、お互いを知る。

これがお店づくり、チーム作りの第一歩だと私は思っています。

 

人間関係に関するお悩みは、こちらもご覧くださいね。

 

mikazukiya.hatenablog.com

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No サプライズ!

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世間はお盆休みで、お休みモードですね。

(すれ違った外国人が、お店が閉まっているのをみてBecause OBON.とつぶやいていました笑) 

 

さて、今回は「サプライズ」がテーマです。と言っても、よくある誕生日パーティとかプロポーズとかではなく、上司部下のハナシ。

 

上司は部下に「サプライズ」をしてはいけません。

どういうことかというと、

「あ、そういえば、俺明日から出張だから」

「明日15時からミーティングだから(出席してね)」

「今週シフト変えといたから」(←これヒドイ……)

「明日○○店に応援だから」

「ひまそうだからこれやっといて」

 

出来る部下ほど、先読みして仕事を組み立てているものです。店長の一言でその組み立てが水の泡となる……なんてことはないようにしなければなりません。

 

※これに関してはエリアマネージャーと店長のほうが深刻かも?店長の仕事を助ける(サポートする)のがエリアマネージャーの仕事ですが、店長の仕事の邪魔をするエリアマネージャーのなんと多いことか……苦笑

私は基本、予告なしの入店はしないでほしかったです。別にありのままを見てもらっていいのですが、自分の仕事のスケジュールがめちゃくちゃになるので! 

 

ブラック企業」という言葉が流行語から標準語?へすっかり定着してしまいましたが、要するに「相手を尊重しない」文化になってしまっているということだと思います。

上司が部下を尊重しないから、「自分を尊重させようとする」から、各自でタイムマネジメントをができない→思考停止→長時間労働→休日出勤……となるのだと思います。

 

「会議はすべて開始と終了の時刻を決めておく」

「時間になったら始める」「時間になったら終わる」

「時間の中で何について結論を出すか決めておく」

 

これができていない企業はブラック企業予備軍では。

 

始まりには厳しいのに終わりの時間はゆるい、というのもなにか違う。時間は等しく1分は1分です。予定を超えた会議、予定にない仕事は個人の時間をうばっていることを上司はもっともっと認識しなければなりません。

 

もっとも部下の側も、上司を驚かせないよう、懸念事項があればあらかじめ情報を共有しておく配慮が必要ですね。

挨拶しよう

 

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店長の皆様。

 

朝出勤して、スタッフと顔を合わせたとき、自分から挨拶していますか?

 

まさか、「スタッフから挨拶するのを待っている」方はいませんよね?

一生懸命作業をしていて気付かなかっただけかもしれないのに、「あいつは俺に挨拶ひとつしない」なんて、上から目線で評価してたり、しませんよね?

 

 

朝もはやくから出勤して、オープン前にお掃除やディスプレイ変更を行ってくれている

スタッフに対して、あなたがどんな気持ちを持っているか?ということが、朝一番の態度でまるっとスタッフに伝わります。

 

感謝の気持ちがあれば、おのずと行動に表れます。

笑顔で、自分から、スタッフに「おはようございます」とあいさつする。

なんなら、「朝早くからありがとう」「暑いのに(寒いのに)ありがとう」のプラス一言くらいはつけましょう。

 

スタッフ一人ひとりと毎週30分面談・・・なんて無理でも、

朝の挨拶プラス一言(目をみて、身体を正面に向けて、笑顔で!)が出来ていると「なにかある」スタッフは、そのタイミングで言い出してくれたりします。

 

「店長、ちょっとご相談があるんですけど・・・」

「店長、実は・・・」

 

朝の挨拶の「ついで」にスタッフが語り始めてくれる。

こんなにお金がかからなくて、簡単で、効果的なコミュニケーションはありません。

 

お店で起きている事実と、スタッフの感情をできるだけ把握すること。円滑な店舗運営には欠かせません。朝の挨拶は、そのきっかけづくりに最適です。

 

ふんぞり返ってる店長(笑)、明日からは「自分から挨拶」、始めてみませんか?

 

お客様対応(クレーム)基礎編

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人間関係のもうひとつの大きな柱といえば「お客様」。

 

「店長~」と呼ばれると、9割方悪い話ですよね?(笑)

 

クレームは10件に1件、お褒めは100件に1件と言われます。

「きちんとやって当たり前」「不備があれば即クレーム」。

日本のサービス業は本当にレベルが高いです。

良いサービスを当たり前のように受けられることはありがたい一方、サービスを提供する側としては苦労が絶えません。

 

今日はクレーム対応の話です。

 

私は大きく3つのことに気をつけてきました。

 

1つめは「クレームを起こさないこと」。

「お客様に不満、不快を与えない」よう前始末すること。

売り出し品なら在庫を十分に用意しておく、

レジが混まないようシフトを組んでおく、

混雑が予想されるならオペレーションをきちんと考えておく、

身だしなみと言葉づかいをきちんとして、第一印象を良くしておく。

究極のクレーム対策は「当たり前のことを当たり前にやる」こと!

 

2つめは、「起こったクレームに対して本気で対応する」。

中には怒鳴り込んでくるお客様もいるかもしれません。

逃げ腰にならず、めんどくさがらず、「本気で」お話をうかがう。

「こいつは俺の(私の)話を分かってくれる」と思っていただけたら

クレームは9割方解決です。

お客様が10分以上怒り狂っている場合、聴き方が悪いと思ってください。

(人間はひとつのことで10分以上怒り続けることはできないそうです。それが続くということは、「聴き手」が怒りに油を注いでいるということ・・だそう。)

 

3つめは、「お客様」と「クレーマー(犯罪者)」の見極めをする。

私はこれがすごく重要なポイントだと思っています。

特にここ数年、具体的には「倍返し」が流行ったころから(笑)。

ちょうどそのころ、某衣料品店の店長に土下座を強要して逮捕された人がいましたよね。

私もそのころにご年配の男性から、「スタッフの対応が悪い」という理由で「土下座しろ」と言われたことがあります。

もちろん「致しかねます」ときっぱりお断りしました。

(父親とそう変わらない年代の方でしたが、こういうふうにしか歳を重ねられなかったのか・・・と悲しくなりました。)

 

スタッフに土下座を強要する、暴言をあびせる、長時間拘束する・・・。

これらは立派な犯罪行為です。

スタッフは、正当なサービスを提供して、対価としてお金をいただいているのであって、お客様の奴隷ではありません。

接客業につく人は基本的に「いい人」が多いので、「お客様が怒っている」=「店が(私たちが)悪い」と思い、謝ります。

ただ、悪くないことまで謝る必要はないです。

 

「できること」と「できないこと」を分けて、「できないこと」を要求する

人は「お客様」ではありません。スタッフを貶めるような行動を強要する人も

お客様ではありません。

警備会社を呼び、すみやかにお帰りいただきましょう。

そうやってスタッフを守ることも、店長の大事な役目です。

 

店長の悩みの99%は人間関係

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店長の悩みの99%は人間関係、というか、

人に関する悩みではないでしょうか。

 

もちろん、売上が上がらなくても苦しいし、間違って発注しちゃって売れない在庫抱えたり、トイレの手洗い場の水が止まらなくなっちゃったり(新人店長時代に実際あった)、いろいろあると思いますが、そんなことは些細なこと。

 

店長の悩みは「スタッフ」と「お客様」に集約されるといっても過言ではない。(売上はね、上がらない時は苦しいと思うんですよ。でも、数値分析して、仮説を立てて、在庫仕入れて売場作って・・・て基本は楽しいことだと思うんですよねー。)

 

「店長」って呼ばれながらも、スタッフと信頼関係築けてないなーっていうときが、いちばんしんどい。

 

いろいろ対応策はありますが、私のおすすめはまず、スタッフの話をとにかくよく聞くこと。お店に対して思っていることだけじゃなくて、そのスタッフがどんな人で、今まで何をしてきたか、何が得意か、どんな生活をしているのか(住んでいる場所や家族、趣味など)、そして、今その店で何をして、将来どうしたいのか。

 

着任時だけでなく、3か月~半年に1回くらいは、必ずすべてのスタッフと時間をとって面談すること。これは、単に人間関係をつくるだけでなく、店舗の組織設計のためにも、スタッフのキャリア形成のためにも絶対に必要なことです。(私は最終的には120人のスタッフと仕事をしましたが、半年に一度は必ず全員と1人30分の面談をしました!)

 

「この会社で長くやっていきたい、店長目指したい」というスタッフ、「実は違う道を考えていて、勉強をしていて将来的には転職をしている」というスタッフ、業務のことで、家族のことで、悩みを抱えているスタッフ。

 

表面的には笑顔で仕事をしていても、実は悩んでいるスタッフ、何かを抱えているスタッフというのは予想以上に多いものです。そして、店長に話すだけで解決する悩みも実は多い。(シフトのこととか)

 

 「自分の話を真剣に聞いてくれる人」を嫌う人はほとんどいません。ましてや「店長」に時間を割いてもらって、じっくり話をきいてもらって嬉しくないスタッフはいないはず。

 

店長って力はあるけれど、とても無力です。

スタッフに協力してもらわなければ、お店を開けることすらできないんです。

「いて当たり前」ではない。「いてくれて有り難い」んです。

「この店で、この店長と一緒に仕事がしたい!」と思ってもらうことが、店長としての第一歩。

 

そのためのスタートが、「話を聞くこと」。

「スタッフが言う事聞いてくれない!」と嘆く前に、

あなたがスタッフの話を聞くことからスタートしましょ。

どんな店にしたい?

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店長お悩み相談室(になったらいいな)第一弾。

 

私が新人店長の時に、尊敬する大先輩から言われたこと。

「その店をどんな店にしたいかを決めるのが、店長の最初の仕事。」

 

今日は、新人店長としてお店に着任したらまずやるべきこと(私がやったこと)を書きたいと思います。

 

私が新人店長として着任したお店は、経営的に問題がありました。エリアの中でも最も売り上げが低く、利益率も低く、品揃えも(会社の方針で)限られた店舗でした。近くに大型のショッピングモールができて、明らかにお客様をとられている状況でした。

 

私は、何から始めたら良いものかと悩みました。

 

答えが出ないときはひたすらインプット、ということでまずはスタッフ全員と個別面談。

 

すると、スタッフの言葉の中にヒントがたくさん詰まっていました。

私が着任したお店は、小さいながらも常連のお客様が多く、お客様を大切にしているスタッフが多い店でした。

 

そんな中で私が決めた店の方針は2つ。

  1. いつきてもストレスフリーで買い物ができて、「また来よう」と思っていただける店にすること。
  2. 存続するために必要な利益を残すこと。

 

詳しく説明します。

1は、近隣の大型ショッピングモール内にある店舗の駐車場がいつも混んでいることに注目して、「さっと来て、さっと買い物をして、さっと帰れるストレスフリーな店」という方向性を考えました。

 

そうすると、「レジにお客様の列ができたら絶対フォローに入る」とか、「売場で欠品しないよう品出しのときに気を配る」とか、いろいろなことをスタッフが考えて動いてくれるようになりました。

「お客様をお待たせしない」ということは、顧客満足の観点からも大事ですが、ロードサイドで、車での来店率が60%程の同店にとっては、駐車場の回転率も売上を上げるために重要でした。

 

2については、着任して最初の全員ミーティングで、「この店は利益率が低くて会社の基準を満たしていない」「本当に最悪の場合存続できない」ということをはっきりと伝えました。

 

そのうえで、

「けれど、みんなと話してお店に愛着を持っているのも分かったし、昔からのお客様もいる、この店を絶対に存続させたいし、この店ならではの良さをお客様に分かっていただきたい!」ということを全員に伝えました。

 そして、利益を残すには、

    1. 売上を上げる
    2. 経費を効果的に使う(無駄遣いしない)

の2つしか手段はない、ということも伝えました。(利益=売上-経費だからね)

 

そうすると、じゃあ売上ってどうしたら上がるの?ということで

売上=買上客数×客単価

客数=入店客数×買い上げ率

客単価=平均買い上げ点数×商品平均単価で、

うちの店は目的買いのお客様が多いから、店頭欠品をなくせば「買い上げ率」はあがるよね、とか、

「商品平均単価」の高いアウターとかボトムスは接客でアピールできるように商品知識を身につけよう、とか、自分の仕事と数字を結び付けて考えてくれるようになりました。

 

三大経費は

人件費

設備費

広告販促費 ということも興味を持って覚えてくれ、

そうすると会社でお金をかけて広告を出したり販促POPを作ったりしている商品はその分売らなきゃね、と会社の意図も分かってくるし、

設備を乱暴に扱って壊したら修理代めっちゃ高いよ!となるし、

残業しない、ということにもすごく協力的になってくれました。

 

店舗でコントロールできる経費だと、水道光熱費もありますが、学校が終わって夕方から出勤してくれているアルバイトの男の子が「電気代がもったいないから」と暗闇でスタッフノートを確認している姿を確認したときは、笑いながらも感動してしまいました。(あなたが情報を確認することはお店にとって必要なことだから、そこは電気つけていいんだよ、と伝えたのは言うまでもないですが)

 

 当たり前のことですが、スタッフにとってお店は「仕事をしに来るところ」。

仕事の目的は、「利益を残すこと」。

そして、「この店で仕事をすることを選ぶ(選び続ける)理由」は、究極的には「好きだから」「楽しいから」しかないのではないかと思います。

 

現実的には「家から近いから」とか「お給料がそこそこ良いから」とか、「ここしか受からなかった」みたいな何となく流れ着いた・・・ということもあるかもしれませんが、「家から近い」中でも選べるお店はいくつかあるのではないでしょうか。

 

店長が「どんなお店にしたいかを決めること」は、スタッフに方向性を示すこと。

「目標」に向かって仕事をすること、は楽しい。

「目標」が達成できたら、嬉しい。

そして、目標を達成することを意識すると、必ずクリエイティビティが発揮されます。

仕事の中に工夫が生まれる。

そうすると、より目標達成に近づく。 

 

もちろんうまくいかないこともたくさんあります。

でも、店長が「決める」ことでものすごいパワーが生まれる「可能性」がある。

 

どんな優秀なベテランスタッフにも、どんな上司にもできない。

「店長」と呼ばれる人にしかできない、一番大事な仕事。

それが「どんな店にしたいかを『決める』こと」。

 

決めたら次はどうする?というお話はこちらをどうぞ。

店長お悩み相談室(になったらいいな)

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お店の数だけ店長がいる。

 

ここにたどり着いてくださったあなたはきっと店長、または店長を目指す方かと思います。(お読みくださってありがとうございます)

私もあなたと同じように、店長をしていました。

13年間、洋服を売るお店の店長をやらせてもらっていました。

 

2015年4月に店長でなくなってからも、いろんなお店で買い物をして、お店のスタッフや商品や売場のことを、ついつい店長目線で「いいな」と思ったり「ありえない」と思ったりしています。

 

一歩引いた目線で見てみると、世の中「もったいないお店」であふれているなぁ、と感じるようになりました。

 

自分がやっていた時に100%出来ていたかと言えば、まったくそうではないのだけれど、少なくとも現役の新人店長さんや若い店長さんがぶつかりそうな壁には100%ぶつかっていて、それを乗り越えてきたと思います。

 

だから10年前、いや、20年前の自分に書くつもりで、その乗り越えてきたことを書いてみようかな、とふと思い立ちました。

(そしてまったく関係ないことも書きたいな、と思っています。つまりゆる~くやりたいと思っています。)

 

店長とはお店の全責任を負うがゆえに、悩みは尽きないものですが……

たとえばこんなお悩み。

 

・人手不足すぎて辛い

・売上やばい(上振れ下振れ両方向にやばさがある)

・チームワークが悪い、派閥があってめんどくさい

・部下が仕事できなさすぎ

・部下が何考えてるか分からない

・苦手な部下がいる

・年上の部下、年下の上司、女性店長の男性部下問題

・エリアマネージャーと絶望的に合わなくて仕事に支障をきたしている

・売上が上がらな過ぎてディベロッパーの担当者とできれば顔を合わせたくない

・クレーム対応がしんどい(「倍返し」が流行った年に「土下座しろ」と言われたことがある)

・部下から「店長~」って呼ばれるときは悪い話しかない

・部下から「お話があるんですけど」って切り出されるとドキッとする(退職?)

・帳票出し過ぎて紙の束が積み上がってるけどシュレッダーかける時間すらない

・棚卸って本当に本当に本当に面倒くさい

・万引犯は本当に地獄に落ちればいいと思う

 

店長あるあるを書いていたら、ちっともゆるくない気分になってしまった。

 

 そんな感じのことを、読んでくださる方が何か持ち帰るものがあるように、かつ軽い気持ちになっていただけるように、ゆるゆると書いていこうと思っております。

 

ちなみに、私は小売の店長でしたので、その視点で書いていきます。小売ではないお店の店長さんもいらっしゃるかと思いますが、 そのあたりはご了承のうえ、置き換えられるところは置き換えつつ、読んでいただけたら嬉しいです。

 

願わくば、世界のどこかの片隅で悩んでいる店長さんのお力になれますように。